「岳」の主人公、三歩から学ぶ登山の意味【みんな来ればいいのに】

登山の意味は分からないし、多分ない。

私は登山が好き。といってもにわか登山好き。冬山の経験もない。登った山の数も一桁。子供生まれてから危険を伴うことを理由に妻に登山は止められていて、10年近く山には登っていない。

妻は「生と死のミニャ・コンカ」「孤高の人」を読んだこときっかけに僕より登山に興味が出てきて、K2とかアルパインスタイルとか良く口走るようになった。私は逆にその辺の用語はしらない。用語を覚えるのが苦手というのもあるだろうけど。

ちなみにドキュメントでは「生と死のミニャ・コンカ」は凄まじい名作。

その妻の登山知識熱が上がっていた時に買った登山マンガの「岳」。もう購入してから4年くらい経つ。買った当時は妻が興奮しつつ読んでいたのを覚えている。

最近、私の読書熱が上がって本ばかり読んでいる。でも中国に居るので日本の本の入手も難しく、読むものが無くなった。ふと思い立って「岳」を読み始める。

山で人がバタバタ死ぬ。個々のドラマもある。汚い心と綺麗な風景のコントラストも有れば、その逆もある。山特有の孤独や厳しさから来る緊張感もある。

要するに、とても面白くて最高だと言う事だ。一気に全巻読んだ。

「みんな来ればいいのに」

「岳」で好きなシーンがあって、1巻で五年生の三歩が初めての登山で浅間山の頂上についたときのシーン。

「みんな来ればいいのにって・・・」

登山は危険がつきもの。「岳」で書かれているように人が死ぬこともある。気象や地形が牙をむくこともある。

妻は危ない、疲れる、景色は写真で見れるという理由で登山はしたがらない。

私もそのことは良く自覚してるし理解できる。だから山に登る理由って、ずっと分からなかった。でも三歩のセリフに全て集約されている気がする。一度山に登ると「みんな来たらいいのに」って思える。凄く良く分かる。

山の魅力は具体諦に考察しようと思えば可能だ。景色や運動、高山植物、空気、雰囲気、静けさ、人気のなさ、登頂の達成感など。悩みとか山に入ると吹っ飛んだりするので、それも要素の一つになる。僕も8000m級の登山でこの世のものと思えない景色を、地に足を付けた状態で見てみたいと思ったりもする。

でも、どれも個々に挙げてもしっくりこない。それぞれの要素はマラソンやハイキング、キャンプなどで得ることも可能だけど、登山で得られる感動や高揚感はなんかちょっと違う。たくさんのことが絡まり合って、登山の魅力を作るのだろう。感覚的あって複雑で、上手く説明できない。

ただし、登山では登頂する事がゴールとなっているわけではない。登山のその素晴らしい魅力を独占したいと思う事もない。

だから登山の意味とか目的とかはよく分からないし、多分ない。

だけど一度登ると、こんな素晴らしいことはないと思える。凄い景色と見てほしいと思える。知らない人も知ってほしいと思える。

その上で登山の意味をもし聞かれたとき、それに対する解は「みんな来ればいいのに」なるのだと僕は思う。

素晴らしき登山の思い出

「岳」読んでたら色々思い出した。

屋久島

私が初めて登山したのは屋久島。12年前のGW。年間35日雨が降ると言われる屋久島で、3日連続で快晴。

3日の行動日があった。白谷雲水峡、宮之浦岳、屋久杉の順で、それぞれ1日ずつ日帰りで回った。一日目の白谷雲水峡の太鼓岩から見晴らしの良いポイントに着くたび、声上げて笑った。

太鼓岩

投石平(宮之浦岳登山途中)

宮之浦岳山頂

黒味岳(宮之浦岳下山途中)

屋久杉

宮之浦岳が一番凄くて、めちゃくちゃ大きい岩とかゴロゴロしてて、だいたい声出して笑ってた。

移動日に晴天が崩れて土砂降り。帰れなくなって会社を一日休んだのはいい思い出。過密スケジュールだったので、男4人手配された宿舎で飯も食わず、話さず死ぬほど寝てた。おかげで帰りの便での記憶はない。

羅臼岳

8月に1人で北海道旅行。レンタカーで道央から道東をめぐる。屋久島で登山にドはまりしたので、せっかくだから羅臼岳に登ることを決意。5時間くらいで往復した。

2枚とも羅臼岳山頂

左がオホーツク海、右が太平洋。その間を突っ切るように知床半島。こんな景色どこにもない。

やっぱり声出して笑った。一人だったけど。変質者だ。

下山して14時位に温泉入った時は死ぬかと思った。気持ち良すぎ。

金峰山

男6人で登山。早朝に集まって横浜から車走らす。天候は曇り。途中雨降ってきた。

金峰山頂

行き帰りの車中は記憶なし。山頂もガスが酷くて何も見えなかった。でも道中にアップダウンとか結構あって楽しかったのは覚えてる。

また山においでよ

その他にもいくつかの山登った。父親と行った塔ノ岳とか急な登りが続くし、帰りは単調で長い下りだった。八ヶ岳では山小屋で酒飲んで一泊して登頂してない。

他にも景色も雨で見れなかったり、登頂で出来なかったり、期待してたより面白くなかった山もたくさんある。一人で行って人気のなさ感じたり、団体で会話しながら登ったり、一緒に上る人も様々。

どの山も地形も登り方も一緒に居る人も天候も雰囲気も全然違う。登ってて嫌になることもあった。でももう一回行きたくなるのが登山の不思議でもあり、魅力でもある。

「また山においでよ」って三歩に言われている気がする。

日本帰ったら登山再開したい。岳見た後に、妻にどうしても山登りに行きたいって言ったら承諾してくれた。ただし家族みんなで登る条件付き。

遭難ドキュメントは道迷いが一番面白い。というより遭難の件数が高く身近なので怖い。

死んだら終わりだから、地図をよく見て道に迷わない。安全には気を付ける。装備も適切なものを準備する。冬山なんて行かない。危ない経験しないと凄い景色が見れないなんて、平地のどこかに居る誰かが言ってるまやかし。

 

ちょー楽しみ。「岳」読んでまたテンション上げよう。

 

ではまた。