コロナウイルス流行のときの中国駐在員の実際の動向【日本はもっとちゃんとしろ】

中国の広州に駐在して3年弱になります。nipuriです。

中国におけるコロナウイルスの流行で日本への退避指示出て、春節旅行先から日本に緊急帰国したり、まだ流行が沈静化してないのに中国に再入国したり、という非日常的な経験しました。

春節休暇が始まる1月18日から、中国入国した2月25日まで、会社員だというのにほぼ仕事していません。これも珍しい経験。

あまり体験できることではないので、忘れないうちに記録に残しておきます。

一つ言えることは、「もっと日本、ちゃんとしろ」ってことですかね。

旅行先のフィリピンから緊急帰国

春節休みに合わせて1月25日から、家族でフィリピンに旅行してました。

出発前から徐々に、武漢を起点とした中国国内のコロナウイルスの流行が大きくなり始めていました。

感染予防のため、常夏の国に旅行に行くにも関わらず移動中は家族全員マスク完備。

WechatやAripayのアプリで世界の患者数の推移が見れるんですけど、旅行中もやはりコロナウイルスの患者数の増加が止まらない。

嫁さんの友達から、 写真付きで連絡が入りました。

「広州の空港が、コロナウイルスから退避するために出国したい人で大混乱に陥っている」

ただし、その時点で中国からの出国は規制がかかっていたので、これはおそらくデマ。春節に出国する人で空港が混雑するのは、いつものこと。

この件の真偽で不安が大きい嫁さんと割と大きな喧嘩したので、情報流す方ももう少し気を付けてほしいです。このやろう。

でも不安がる嫁さんの気持ちも分かる。

隔離処置をとっている中国から出入国するのは、外国人とはいえ確約されたものではないからです。娘の学校も、2月17日まで休校の連絡が旅行中に来ていましたし。

中国感染者数が急増している状況を確認つつ、家族協議します。旅行中なのに、かなりピリピリしてた。

協議している間、私の日本の会社からも帰国推奨を指示メールが飛んできました。それが後押しになって、旅行先のフィリピンから日本への緊急帰国を決めます。

帰国は、旅行最終日である1月31日の夜に決定。

航空会社の対応

マニラから広州への復路チケットをキャンセルし、新しいチケットをネットで予約しました。

ANA 便でしたけど、フィリピンエアライン主導のコードシェア便のためか、直前取得の片道チケットだったにもかかわらずで高価にならずに済みました。

復路のキャンセルについても、お金が帰ってくるとのこと。航空会社は南方航空。

購入金額が往復で約12000元だったので、結構お金が戻ってきた。捨て金と思っていたので、不幸中の幸い。

コロナウイルスが流行してからキャンセル時にお金を返金することや、チケットの変更は無償で行うことについては、中国政府から指示が出ていたみたいです。

また旅行のチケットとは別に、3月の春休み期間中に家族は毎回日本帰国へするので、早割で航空券をすでに予約していました。

多分中国にはしばらく戻れないのでキャンセルしましたが、 このチケットのお金も全額バックされるとのこと。ちなみに航空会社はJAL。

運賃関係は高額にならず、ラッキーでした。

航空会社は国をまたいで仕事しているためか、国際的な動きに対応の統一感があって良い印象でした。

1月末の日本入国審査

フィリピンで武漢からの入国者を追い返した、というニュースを見ました。

その事もあってマニラ発の飛行機の、羽田空港着陸が近づくにつれ緊張感が増す。

でも日本入国審査の状況を目の当たりにして、拍子抜け。

入国審査前に置いてあった健康カードです。武漢滞在者に対してだけの注意喚起で、さらに自己申告。

検閲係員も、「武漢から来た人は申告して下さい」と日本語で入国審査前に呼びかけるだけ。検温など皆無。

入国審査も平時との違いはなく、日本人なのであっという間に終了。

武漢ではすでに封鎖されていて、コロナウイルスの恐怖があった私は正直ビビりました。日本の空港はゲート機能弱すぎ。

こんなんだからカルロスゴーンも難なく出国できちゃう。目の粗いザル国家、日本。

預け荷物を受け取って入国審査場から外に出ますが、マスク姿は普段の冬の時期よりほんの少し多いくらい。

深夜なので低額タクシーで自宅まで帰ったんですが、運転手がマスクをきっちりしていたことには、なぜがホッとしました。

日本で長い待機

帰国後は時期未定で、不要不急の外出は避けるように会社からの指示。

中国国内も春節休みを延長したり、街やお客さんも本格的な営業再開がなかったので、仕事はほとんどなかったです。

でも旅行先から日本への緊急帰国だったので、パソコンもなく、スマホ一つ病気の情報かき集めながら一喜一憂するのは、あまり気は休まらなかった。

私は家が日本にあるのでまだマシですが、同僚の人は家族5人でホテル滞在を1ヶ月強いられてた。これは結構きつかったと思う。

あと中国人買占めの影響か、マスクが日本滞在中ほぼ買えなかったのは、今後も日本に残る家族も中国戻る私も不安を増長。

日本も早々に入国禁止に舵をとるべきだったのに、と強く感じました

他の会社の動向

嫁さんの駐在妻ネットワークから、他の会社の駐在員状況も入ってきました。

春節後から中国戻っていた人は、やっぱり怖いって言ってたみたい。コロナウイルスの病状よりも、感染者になったときにされる処置が怖いって。

中国は正直何するか分からない国ですからね。私も怖い。

大多数の会社は延長した春節が終わる、2月10日前後からの出社指示。ただ例外も結構あったみたいです。

  • 帰りたければ帰ってきても良いけど、現地の仕事は進めろ
  • 2月10日頃になってようやく強制帰国指示
  • 1月末に日本人は出社要請出したのに、翌々日出社停止命令

日本の会社は海外駐在員に対して、仕事だけでなく安全に関しても無関心な会社が多いのが理解できました。

うちの会社も10日前後に戻る戻らないで揉めていて、直前の8日に急に待機連絡が入ったり判断ブレまくり。「日本人の安全確保する」って宣言したくせに、結局25日には中国に戻る命令が出るので、どこも似たり寄ったりです。

有事の際は自衛しないと、会社は助けてくれない。まざまざと駐在員に対する日本の会社の冷酷さを見せつけられました。

日本政府も諸外国見習って、トップダウンで企業に指示降ろしてほしい。経済活動は、安全の上に成り立ってるものでしょ。

コロナウイルスでのイジメは少なそう

上の娘は小学校。中国の学校にはしばらく戻れないだろうから、日本の小学校への体験入学を検討してました。

ただし中国からの帰国者へのコロナウイルスに関したイジメが怖かったので、我が家は帰国後2週間+αの時間を取り、1ヶ月後の3月初旬から通学を計画。

でも聞いてみたら、他の駐在妻の子供は早々から学校行ってるみたい。しかも特に問題なし。

うちも体験入学前の軽い面談があり、イジメについて聞いてみましたが、まず問題ないでしょうで一蹴。杞憂に終わりました。

日本の危機意識が低いのが、逆に功を奏してる感じ。これは有難い。

まあ3月初旬からの通学は、安倍首相の休校の一声で流れてしまうわけですが。

中国に再渡航する

2月19日。

日本の会社から、日本待機中の中国駐在員に再渡航の指示が出ました。2月25日に出国。

中国現地法人と日本会社で話し合いが持たれ、利益優先の判断が下ったのでしょう。もちろん家族は日本滞在継続の指示。

この頃は新たな感染者数も徐々に減ってきた時期。減り方が中国の経済活動動き始めとリンクしているので、政府が作ったストーリー先行のデータ改ざんに見え、怪しさ満点ではあります。でも真偽を確かめる術もないのであきらめる。

断れる理由もなく、25日からの渡航は怖いけど渋々承諾。

中国政府の指示で、中国帰っても2週間は在宅業務となるとのこと。これは中国人も同様で、他の地区からの戻ってきたら2週間は家に居ないといけない。

ということは、中国駐在地が日本からの直行便が無い場合、経由地で2週間滞在を強いられる可能性がある。

私は直通便があったので問題ありませんでしたが、他の同僚はリスク回避の為、地方から国内移動して中部空港近辺で前泊していました。大変です。

再渡航の準備を始めた21日、夕方から夜にかけて最高40℃に達する謎の発熱に襲われました。多分原因はストレス。翌日には完治したので、大したことはなかったんですが。

「中国離れて1ヶ月弱経っていて、息苦しさもないので絶対感染してないだろう。でももし万が一コロナウイルスなら…もうこの地には住めない…!」

そんなこと思ってたら、恐怖で何回も目が覚めた。まじで怖かった。

日本空港のチェックインから搭乗

2月25日。中国への再渡航日。

コロナウイルスの影響で、羽田空港は人が少ない。繁忙期の3割くらいのイメージ。

日本の出国の際は、相変わらず。中国渡航するのに、注意喚起すらない。

ニュースでも一部報道されていたけど、中国でマスクなしで外出すると処罰される。到着した空港内だって対象になる可能性あるのに、そのことも告げられません。

おいおい。おれは一応日本人なんだが。お前まで無関心か。

出国審査終えて登場口までの間、空港としての検疫関係の取り組みや注意喚起の掲示が一部ありましたが、コロナウイルスの件は目立つように掲示されていない。少なくとも、私の目には入らず。

面食らった表情で、飛行機に乗り込む。

でも席に着くと雰囲気が一変。まず健康申請カードがすぐに配布される。

このカードで虚偽申請した北京の男性が、逮捕されたという情報を前に見た。急に緊張感が高まる。

他の乗客には、ゴーグルとマスク両方着用している人も見られる。すごい物々しい。

搭乗率は50%くらい。3列シート×2の機体でしたけど、私の座席は一人だけ。いつもなら中国発着便は満員。人が少ないのも、非常事態な感じがしてやっぱり怖い。

飛行中はペットボトルの水配布のみで、他の飲み物の配布はなし。お弁当も簡素なものだけ。感染予防のためでしょう。

睡眠取ったり読書したりして、気を紛らわす。

中国への入国審査

着陸後、飛行機からバスに乗って入国審査の建物に移動。移動中、外を見ても飛行機の往来もなくて、いつもの賑わいがない。

バスを降り、入国審査まで歩いて向かう途中も殆ど人が居ない。むしろ私と同じ便に乗った人たちと清掃員しか居ない。

入国審査する前のところに、自動検温ゲートがあります。いつもなら人が居ない事もあるのだけど、今回は1ゲートにつき検閲官が二人。

ゲート前の受付にて機内で記入した健康申請カードを提出し、検温を正確にするため、ゆっくりゲート内を歩くように指示している。

私の並んだゲートは、なぜかよく出口が閉まる。体温チェックこんなに厳しいのか。怖えぇ…。

でも単にゲートの調子が悪かった模様。ちょっとホッとする。

そんなつかの間、私より3人前に並んでいたと日本人がゲート内で凄い入念にチェックされてる。手動の検温器も使って検温された後、別室に連れていかれた。その人の後ろの日本人2人もビビりまくり。怖えぇよ!

まあ、その連れていかれた日本人以外は問題なく通過できたんですが。あー怖かった。

空港から自宅マンションに移動

預け荷物を受け取った後、タクシー乗り場に向かう。

外は熱い。さすが広州。気温見たら25℃超えてる。

タクシー乗り場の方を見てみると、ほとんどタクシーが止まってない。

保安員に聞いてみると、タクシーは乗り場手前で待機していて、必要なら係員が呼んでくれるとの事。

タクシー乗り場まで近づいてみたら、係員の人が呼んでくれました。タクシーを空港内乗り場で待機させないのも、感染予防の処置の為っぽい。

タクシー運転手はマスク着用してた。これくらいの気温なら窓は閉める運転手が多いけど、換気のためなのか、高速も窓を開けながら走る。でもこっちが言ってること聞こえなくて、言い直すときにマスクずらすのはちょっと不快。

走っている車の数は、平常時の3割程度。いつもより早くマンションに到着。

マンションに着いたら、正門で管理人が私のおでこに光をあてて検温。どこから帰ったのか、しばらく中国に居るのかのかなど聞かれる。最後に名前、連絡先、部屋名、訪問目的を記入し、マンション立ち入り許可されます。

マンション内の広場で、子供だけはマスク無しで遊んでる。大人はみんなマスク装着。

住宅棟の入り口は開けっ放し。プッシュキー接触による感染疑いを避ける為でしょう。

エレベーター前には消毒液、エレベーター内は消毒済の掲示がありました。

私の部屋は1ヶ月前のまま。何も変わらず。やっと自宅に戻れた。

中国の街の状況と外出規制

一ヶ月家を空けていたので、野菜が腐って全滅。

いつも食料は通販で頼んでます。今回も注文まではできましたが、非常事態なので遅れるとの連絡が入る。

仕事の電話会議が予定されていて、配達と重なると厄介なのでキャンセルしました。

しょうがないので、マスクして近くのイオンまで買い出し。

街は平常時の3割くらいの人しか歩いてません。車も同じく3割くらい。みんなマスクしています。着用しないと処罰されるからね。

イオンの入り口では、係員が手動検温器で一人ひとり検温しています。

スーパーの階まで降りると、スーパーの入り口でも検温。まさかの二重検温。厳重です。

無事買い物を済ませマンションに戻ると、ここでも再度検温がありました。

外出するだけで計3回検温された。

買い物をした日は2月26日。でもその翌日、不動産屋から外出規制の通達あり。

2週間は部屋から出るなとの指示。買い物や飲料水は管理人経由で入手するらしい。

海外の感染が広がっている影響なのか、日本人に対する規制の厳格化が見込まれる予想です。今後、中国の日本人に対する当たりが強くならなければ良いんですが。怖いよ。

街の様子を写真に撮って記事に載せるつもりでしたが、断念です。2週間は在宅で仕事しながら、ひっそりと暮らしていきます。

日本も感染拡大に理解と協力を

コロナウイルス蔓延してから今まで、中国駐在員として単純に怖かったです。不安しかない。

中国はルール無視して、外国人も区別なく処罰する国家。コロナウイルス感染者がどのような扱い受けるのか、予測もできません。

経済活動も重要ですが、マンパワーがなければ経済の回復も遅れる。駐在員の中国再渡航は強制力を持って、禁止の指示を出してほしかった。

不安な感情に寄り添ってほしかったのが正直なところ。

コロナウイルスは治療法が分からず、検出法にも時間がかかり、感染力が高いのが問題。

それなら他の地区から移動してきた人の隔離処理、37.5℃以上の発熱者の検知強化と行動制限を推し進めている中国のやり方は、決して間違っていない。過剰でもなんでもない。

日本の状況を見ていると、日本が平和ボケしているのが良く分かる。もしいつか日本からコロナウイルスではない新しい病気感染が出た場合、対応が遅れて世界に蔓延させてしまうのが目に見える。

今、中国が逆に日本をコロナウイルス注意国家として認定しようとしていますが、感情的にならず今までの自国の危機意識の薄さを自省すべきです。国外からの入国拒否の決定など、日本自身の対応が遅く、的確でないことが原因で起きていることなのですから。

もとは中国が原因なのに、日本が加害者とされそうになっているいまの状況に文句を言っても意味が無い。中国は感情論抜きにして、自国ができる拡散を止める処置を、淡々と行っているだけです。

確かに私も中国に腹は立つけど、感染拡大を止める対応は、日本も中国を見習うべきだと思います。

いまは安全への対応に注力すべき。感情を持ち出すと、やるべきことが見えなくなってしまう。

みんなマスクして手洗いうがいをして、少しの間外出は控えましょう。

そして同じことが起こった時に、今回のことを反省して一早く対応できるようなっていることを願います。

 

ではまた。